これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

マウス皮膚の生体イメージングによって明らかになった、細胞外シグナル調節型キナーゼ活性化の細胞内拡大

Hiratsuka, Toru;...;Matsuda, Michiyuki(2015.2)[Intercellular propagation of extracellular signal-regulated kinase activation revealed by in vivo imaging of mouse skin]

 

理由

理論生物学をやってる先生を探してたら本田先生が出てきたので、しばらくは本田先生シリーズです。

 

概要

細胞外シグナル制御リン酸化酵素(ERK)は多くの成長シグナリング経路の重要な作動体である。この研究では、ERK FRETバイオセンサーを用いて生体マウスにおける上皮ERK活性を視覚化する。定常状態の状況下では、上皮では時折、ERK活性が細胞から細胞へ放射状に広がるようなERK活性パターンの爆発が見られた。この放射状のERK活性分布の空間的拡大(SPREAD)の頻度は上皮細胞分裂の速度と関係があった。SPREADと増殖はEGF受容体とそれらの同種のリガンドに依存する方法で12-O-テトラデカノイルホルボール13- アセテート(TPA)によって刺激される。傷のある皮膚では、ERK活性は傷の端に平行なトリガー波として広がったことから、ERK活性は重なりうるといえる。さらに、細胞周期を視覚化することで、SPREADはG2/M細胞周期進行に関係することを発見した。これらの結果により、細胞増殖と一過的なERK活性が生体組織において同調する方法に関する新たな考えを与える。

 

印象的な図

Figure8 & Video. ERK活性の波

 

雑記

キースリチャーズみたいに、[Bioはあるけどlogicはどうしたんだ?]という言葉を遺したかったのに、Biologyの語源はzoologyとphytologyを合わせたBi-ologyの説も見つけてしまい、謎だけが深まってしまった。