これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ワクチン接種戦略のあるSVIR流行モデル

Liu, Xianning;..;Iwami, Shingo(2008.7)[SVIR epidemic models with vaccination strategies]

 

理由

岩見先生シリーズ2

 

概要

感染症の根絶にはワクチン接種が重要である。ワクチン接種過程を終えるには、大抵、服用量は数回に分けて考えられ、二回の服用の間には決められた期間の間隔がなければならない。ワクチンは感染しやすさの点でも回復力の点でも個人ごとに異なる。免疫を獲得するまでの時間とそれまでに感染する可能性の両方を考えて、継続的なワクチン接種戦略と一過的ワクチン接種戦略(PVS)のそれぞれを表すために、それぞれ2つのSVIRモデルを作成した。モデルによって、両方の系が基本生産数に依存する厳密な閾値ダイナミクスを示した。この数が低ければ、感染症は根絶され、この数が高ければ、感染症は継続的なワクチン接種戦略では正の平衡点での大域漸近安定性がある流行を示し、PVSでは永続性を示す。数理的結果によって、ワクチン接種はこの基本生産数を下げることで感染症を制御するのに役立つことが分かった。しかしながら、感染症除去の成功には必要条件がある。免疫獲得の時間や以前に感染したことを無視すると、この条件は消えて、いくつかのワクチン接種戦略で感染症は常に根絶される。これはワクチン接種効果の過大評価につながるかもしれない。

 

雑記

doseの例文を読んでいたら[屁ひとつは薬千服に向かう]という諺を見つけてしまった。現代医学も生物恒常性の前には無力であることだなぁ。