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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

円形脱毛症の数理モデル

Dobreva, Atanaska...;Cogan, N. G.(2015.9, Journal of Theoritical Biology) [Mathematical model for alopecia areata]

 

理由

炎症性サイトカイン3

 

概要

円形脱毛症(AA)は自己免疫疾患で、その臨床表現型は頭皮や体の他の部分での明確な無毛パタン形成が特徴である。ほとんどの場合、毛は円形に脱落する。AAの病因としてよく出来ている仮説は、毛包の免疫特権の崩壊が症状の進行に必須の要素であると主張している。円形脱毛症の動態を調べるため、AAとの関係が臨床的にも実験的にも確かめられている毛包免疫特権作用と、免疫系要素を組み合わせた数理モデルを作成する。どの入力が結果の変化に最大の効果を与えるかを調べるためにパラメーター感度解析を行う。結果により、モデルに反映されている全ての過程で、免疫特権作用と炎症性サイトカインIFNγが症状ダイナミクスを支配することが示された。これらの結果は、AAの進行の免疫特権崩壊仮説と合致する。

 

雑記

発想がおもしろい。円形脱毛症のパターンにも色々あるみたい。脱毛斑が一個だけの単発型、複数の多発型、全部抜ける前頭型、頭髪以外も抜ける汎発型、興味深いのは生え際が帯状に脱毛する蛇行型。これらの空間変化の数理モデルも作れそう、かと思ったが、これらは一気に丸く抜けるらしい。

 

対してCMとかで見るAGA(男性型脱毛症)というのは男性ホルモンの異常でM字やO字に徐々に脱毛が起こり、境界の不明瞭な脱毛斑ができるというらしい。