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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

バクテリアフィラジェリンに対する自然免疫はToll様受容体5によって調節される

Hayashi, F;...;Aderem, A(2001.6, NATURE)[The innate immune response to bacterial flagellin is mediated by Toll-like receptor 5]

 

理由

NF-kB7

 

概要

自然免疫反応は宿主ではなく感染性因子で発現する病原体関連分子パターン(PAMPs)を認識する。Toll様受容体(TLRs)はPAMPsを認識し、効果的な免疫の進行に必要なサイトカインの産生を調節する。フィラジェリンはバクテリア鞭毛の主要な要素であり、ハエや植物、哺乳類と同じように多様な生物の自然免疫系によって認識される毒性因子である。ここでは、哺乳類のTLR5がグラムポジティブとグラムネガティブの両方のバクテリアフィラジェリンを認識し、受容体の活性化は核因子NF-kappaBを動員し、腫瘍壊死因子alpaの産生を刺激する。TLR5刺激活性はリステリア・モノサイトゲネス培養上清から精製され、タンデム質量分析計によってフィラジェリンを同定した。繊毛のない下痢性大腸菌におけるリステリアフィラジェリンの発現はTLR5を活性化するバクテリアの活性を授ける。一方で、サルモネラ菌のフィラジェリン遺伝子欠損はTLR5刺激活性を失わせる。知られているTLRsは全てアダプタータンパク質MyD88を通じてシグナルを伝達する。バクテリアフィラジェリンに見舞われたマウスは全身のインターロイキン6を急速に産生した一方で、MyD88欠損マウスはフィラジェリンに反応しなかった。データにより、進化的に保存されているToll様受容体ファミリーの一つであるTLR5は哺乳類に繊毛のあるバクテリア病原体から特別に守るように進化したといえる。

 

雑記

ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ。死ねば白骨になるという。死んでしまえばそれまでだという。こういうあたりまえすぎることは、無意味であるにすぎないものだ。
 教訓には二つあって、先人がそのために失敗したから後人はそれをしてはならぬ、という意味のものと、先人はそのために失敗し後人も失敗するにきまっているが、さればといって、だからするなとはいえない性質のものと、二つである。
 恋愛は後者に属するもので、所詮幻であり、永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、それをするな、といい得ない性質のものである。それをしなければ人生自体がなくなるようなものなのだから。つまりは、人間は死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまえということが成り立たないのと同じだ。 (坂口安吾 恋愛論)