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皮膚の偽リンパ腫における偽クローン性:再配置研究の解釈の落とし穴

Boeer, A.;..;Falk, T. M.(2008.5, BRITISH JOURNAL OF DERMATOLOGY)[Pseudoclonality in cutaneous pseudolymphomas: a pitfall in interpretation of rearrangement studies]

 

理由

虫刺され7

 

概要

背景 偽クローン性はリンパ節生検における再配置研究の解釈においてよく知られた問題である。最近、ボレリオ症の皮膚障害部位で偽クローン性が報告された。皮膚の偽リンパ腫における偽クローン性に関する研究は少ないが、偽クローン性は皮膚リンパ腫のような皮膚障害の過剰解釈の危険性を示す可能性がある。

目的 臨床病理学的な相関によって同定された皮膚の偽リンパ腫における偽クローン性頻度の決定とその追跡調査

方法 虫刺され反応、ボレリオ偽リンパ腫と偽リンパ腫性薬疹を含む、偽リンパ腫性薬疹の30個の障害部位を組織病理学、免疫表現型検査、T細胞受容体γ再配置そしてIgH再配置によって調べた

結果 7つの湿潤物はB細胞の偽クローン性を示し、4つはT細胞の偽クローン性を示した。さらに、B細胞のクローン性は4つの症例で見られた。免疫表現型検査によって、湿がほどよく密集していて少数のBリンパ球潤物しか含まれていないときに、B細胞の偽クローン性とB細胞のクローン性が起こった。ほどよい密度の湿潤物においてはたいていT細胞の偽クローン性も見られた。

結論 偽リンパ腫湿潤物がほどよい密度の場合、B細胞とT細胞はの偽クローン性がよくみられる(それぞれ23%,13%)。特にBリンパ球が少ないときには、偽リンパ腫湿潤物中にもB細胞のクローン性が見られる(13%)。したがって、再配置研究は形態パターンと湿潤物の免疫表現型の相関なしには解釈できないうえに、過剰解釈を防ぐためには二重もしくは三重の試験によって確かめる必要がある。

 

雑記

2006年に「誰も端っこで泣かないように、君は世界を丸くした」はずなのに、おっさんがひとり居酒屋の隅で泣いていたので、どうやらまだ世界は丸くないらしい