これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

アトピー性皮膚炎や乾癬の患者の角質細胞はT細胞由来のサイトカインに対して直接的にケモカインを産生する特性を示す。

Maria LauraGiustizieri;...;Saveria Pastore(2001.5, Journal of Allergy and Clinical Immunology)[Keratinocytes from patients with atopic dermatitis and psoriasis show a distinct chemokine production profile in response to T cell–derived cytokines]

 

理由

埋もれ論文5

 

概要

背景:アトピー性皮膚炎(AD)や乾癬は一般的に炎症性皮膚疾患と定義される。角質細胞は多様なケモカインを産生することで皮膚の炎症反応に活発に関与する。

目的:患者と健康な個体由来の培養角質細胞でCCLやCXCLケモカインの発言を調整するためにIL-4、IFN-γ、そしてTNF-αの許容量と、そこでのケモカインの発現量を調べた。

方法:培養角質細胞は健康な被験者とADもしくは乾癬の成人患者の正常に見える皮膚から作成した。単球化学誘引タンパク質1(MCP-1)/CCL2,RANTES/CCL5,IL-8/CXCL8,そして10kdのIFN-γ誘導性タンパク質(IP-10)/CXCL10産生をRNaseプロテクションアッセイを用いてmRNAレベルを、ELISAを用いてタンパク質レベルを測定した。免疫組織染色とin situハイブリダイゼーションの方法で慢性炎症皮膚での同じケモカインの発現を調べた。

結果:刺激していない角質細胞ではIL-8だけが検出された。MCP-1とIP-10はIFN-γによってかなり誘導された一方で、IL-8とRANTESはTNF-αによって優先的に、IFN-γによって比較的程度は低いが誘導された。IL-4は弱くIP-10、RANTES、IL-8を誘導するが、MCP-1は誘導しない。AD患者の角質細胞は有意に早く高いRANTES発現に応答した。一方で乾癬の患者の角質細胞は常時性と誘導性両方のIL-8が強く発現し、MCP-1とIP-10を強く誘導した。RANTESとMCP-1 mRNA陽性の角質細胞はADと乾癬の病変部位の基底層で見られた。IP-10とIL-8は乾癬患者の上皮では常に上方制御されていたが、ADの病変部位では上方制御されていなかった。IP-10とIL-8は乾癬患者上皮では上方制御されていたが、ADでは違っていた。

結論: ADと乾癬の患者の角質細胞は本質的に異常で異なるケモカイン産生特性を示し、よって皮膚内で直接リンパ球サブセットを補充するかもしれない。

 

雑記

週4でTAがあるので、自分の研究する時間より他人に教えてる時間の方が長い。まだ何も知らないのに。