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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

上皮の生物学におけるNF-κBの役割

Manolis Pasparakis(2012. Immunological Reviews)[Role of NF-jB in epithelial biology]

 

理由

埋もれ論文8

 

概要

発見されてから、核因子-κB(NF-κB)は免疫反応の重要な制御因子として認識されてきた。初期の研究では、免疫細胞の発達と機能におけるNF-κBの役割に注目してきたが、より最近は非免疫細胞におけるNF-κBキナーゼ(IKK)/NF-κB経路の阻害の機能が注目されてきた。マウスの遺伝モデルにおける研究はNF-κBの細胞特異的な機能の解明における手段であった。さらに、マウスによって上皮細胞におけるNF-κBシグナリングは皮膚や腸と同様にバリア組織における免疫恒常性の維持に重要であることがわかった。IKK/NF-κBの活性が増加すると上皮細胞によるサイトカイン発現が引き起こされる。角質細胞においてNF-κBを阻害すると、腫瘍壊死因子依存的な皮膚炎症と上皮の過形成が起こる一方で、腸のIKK/NF-κBシグナリングを阻害すると、腸バリアが阻害されて重度の慢性腸炎症を引き起こす。それにより、上皮NF-κBシグナリングは細胞の生存やバリア状態、そして上皮細胞の免疫的、抗菌性反応を制御することで、環境との間でのバリア組織における重要な“平和維持”を行う。表皮NF-κBの機能の理解が進むことで、上皮組織における慢性炎症疾患の病因の解明の重要性が保持される可能性がある。

 

雑記

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