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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

上皮における慢性炎症:数理モデル

Nakaoka, Shinji;...;Kim, Yangjin(2016.9, APPLIED SCIENCES-BASEL)[Chronic Inflammation in the Epidermis: A Mathematical Model]

 

理由

アトピー性皮膚炎の数理モデルの研究

 

概要

上皮組織は皮膚の最も外側の要素であり、バクテリアなどの多様な環境因子などの侵入を防ぐ最初のバリア系として重要な役割を果たす。最近の研究によって、有害なバクテリアと有益なバクテリア間の微生物の競合と皮膚表面の多様性が我々の健康に重要であることがわかってきた。この研究では、常微分方程式と遅延微分方程式を用いて炎症過程の数理モデル(M1とM2モデル)を作成する。この論文では、転写因子、プロテースそして細胞外サイトカインを経た微生物群ダイナミクスを研究する。群の組成変化を起こす可能性のあるメカニズムを調べ、免疫活性を通じた有害バクテリアと有益バクテリア間の活発な競合ダイナミクスを解析する。細胞内の転写因子からのプロテース活性波M1モデルにおけるバクテリア維持の制御において重要な役割を果たすことを見出した。競合モデル(M2)によって、サイトカイン除去レベルが異なると、有害なバクテリアが維持する系や、有害なバクテリアが無い状態、そして有害バクテリアと有益バクテリアが共存する集団がTypeⅠダイナミクスで見られることが予測される一方で、TypeⅡダイナミクスでは共存のない双安定系が見られた。これは、微小環境における有害なバクテリアと有益なバクテリア間の表現型の遷移の可能性を表している。これらのバクテリア集団のダイナミクスにおける免疫反応の活性が長期間遅れることで、有害なバクテリアと免疫活性の振動が始まることも見出した。この数理モデルによって、治療薬によって時間遅延駆動型の振動が消滅する可能性が示される。

 

雑記

暑すぎて一日中布団の上で溶けていた