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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

B細胞固有のMyD88シグナリングは、マウスで粒子の免疫賦活剤に対する反応においてIFNγ調節性の初期IgG2cクラススイッチングを制御する。

LeeMSJ;...;Coban C(2019.5, Eur J Immunol. )[B cell-intrinsic MyD88 signaling controls IFNγ-mediated early IgG2c class switching in mice in response to a particulate adjuvant.]

 

理由

免疫シンポジウム予習。審良先生。

 

概要

免疫賦活剤はワクチンの効力を促進するが、多くの免疫賦活剤のその作用機序(MOAs)はほとんど分かっていない。アダプター分子MyD88を通じたTLR-依存的、またTLR-非依存的な自然免疫シグナリングはほとんどの免疫賦活剤の効果において中心的な役割を果たすころが知られている。しかしながら、免疫賦活剤のTLRs非依存的なMOAsにおけるMyD88の関与はほとんど理解されていない。この論文では、T依存的な抗原NIPOVAと合成へモゾイン(sHZ)と呼ばれる特異な粒子状免疫賦活剤を用いて、マウスにおいてMyD88が初期のGC形成に必要であり、抗体クラススイッチ組換え(CSR)を強化することを示す。細胞種特異的なMyD88ノックアウトマウスを用いて、B細胞固有のMyD88 シグナリングによって、IgG1クラススイッチングではなくIgG2cクラススイッチングが制御されることを示す。特に、T細胞やNK細胞、そして樹状細胞を含む様々な細胞によって産生されるIFN-γはIgG2c CSRの初期サイトカインであり、B細胞固有のMyD88はIFN-γの産生に必要であった。さらに、IFN-γ受容体(IFN-γR)欠損はsHZ誘導性のIgG2c産生を廃止する一方で、B細胞固有のMyD88欠損マウスにおけるIgG2c CSR欠損は組換えIFN-γ投与によってうまくレスキューされた。同時に、我々の結果によって、B細胞固有のMyD88シグナリングは一定の粒子免疫賦活剤のMOAに関与しており、この免疫賦活剤とワクチンがどのように働くかに関する理解を進めるだろう。

 

雑記

審良先生の発表、朝の9:30からだけど、朝起きれるだろうか