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BATF2はIL-23/IL-17経路を制御することでT細胞調節性腸炎を防ぐ

Kayama H;..;S, Takeda K(2019.5, Int. Immunol.) [BATF2 prevents T cell-mediated intestinal inflammation through regulation of the IL-23/IL-17 pathway.]

 

理由

免疫シンポジウム予習。竹田先生

 

概要

IL-23シグナル経路の不適切な活性化によって、腸を含めたいくつかの組織における免疫病理的なTh17細胞を誘導して慢性炎症が起こる。一方で、適切なTh17反応は有害生物に対する宿主防御に必須である。腸固有層において、IL-23は主に樹状細胞(DC)やマクロファージ(Mφ)を含む自然骨髄系細胞から主に産生される。しかしながら、これらの細胞からのIL-23産生の制御の根本的な分子メカニズムはほとんど分かっていない。この研究では、BATF2がIL-2駆動性のT細胞反応を抑制することで腸の恒常性を制御することを示す。Baf2は単球やCD11b+CD64+型MφsそしてCD103+DCのように自然骨髄系において高く発現している。Batf2-/-マウスは微生物構成を変えることで大腸炎と回腸炎を同時に発症した。これに関連して、野生型マウスと比べてBatf2-/-マウスからはTNF-αやIL-10ではなくIL-23が腸のCD11b+CD64+型Mφsが大量に産生されていた。さらに、IL-10+CD4+T細胞ではなくIFN-γ+,やIL-1+7そしてIFN-γ+,やIL-17+CD4+T細胞の数が増加し、Batf2-/-マウスの結腸と小腸に蓄積していた。加えて、RORγt-発現型自然リンパ系細胞はBatf2-/-マウスで増加していた。Batf2-/-Rag-/-マウスはBatf2-/-マウスにおける腸炎の存在を減少させた。さらに、Il23a欠損を導入するとBatf2-/-マウスにおいてIL-17+,そしてIFN-γ+IL-17+CD4+T細胞がかなり減少したことから、Il23aは腸炎の削除に関連していた。これらの結果によって、自然骨髄系細胞においてBATF2はIL-23/IL-17経路調節性の適応腸病理を抑制するために重要な分子であることが示された。

 

雑記

毎日論文を読もうとすると、たった一日さぼるだけで次の日は二本も論文を読まなきゃいけなくなるんだなぁ・・・。(当たり前体操)