これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

発生中期遷移と動物のボディプランの進化

M. Levin et.al. (2016.3, Nature)[The mid-developmental transition and the evolution of animal body plans]

 

理由

研究室セミナーで紹介されていた論文

 

概要

動物は明確なボディプランの考えに基づいて35の'門'に分けされる。形態学的、また分子的解析により、ファイロティピック段階として知られる発生の中期における段階はいくつかの門の中の種間で保存されていることが分かっている。これらの解析によってこれらが存在することは分かったが、門は明確な定義がないため批判され、結果的に、動物の任意のグループ分けに基づいている。ここでは、幅広い生活史と胚形態を持つ異なる門の10種の発生トランスクリプトームを比較する。10種全てにおいて発生は保存された遺伝子発現を初期と後期のセットで含むことが分かった。これらの期間は種特異的なシグナル経路と転写因子を用いる多様な「中期発生遷移」に関連する。以前10の門のうち3つで定義されたファイロティピック段階と中期発生遷移が重なっていることから、この遷移の間の転写経路とシグナルメカニズム活性は系統発生のボディプランを定義するのに重要であり、中期発生遷移は他の門のファイロティピック段階の定義にも用いられる可能性があると考えられる。門内の中期発生遷移が保存されているという報告とこれらの観察を並べると、門は中期発生遷移での遺伝子発現がそれらの中で高く保存され、他の種と比べると異なっているような種の集まりとして定義される可能性がある。

 

雑記

発生砂時計もみると面白い。ほどよく「ホント」と「ウソ」が混ざっている感じなのがとても面白いけど、そのホントとウソを仕分ける研究は大変そうなので自分ではやりたくない・・・。