これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ライム病の特徴的な紅斑である遊走性紅斑の時空間的進化

Dhruv K. Vig;  Charles W. Wolgemuth(2014.2, Biophysical Journal)[Spatiotemporal Evolution of Erythema Migrans, the Hallmark Rash of Lyme Disease]

 

理由

自分の研究に近いので

 

概要

 初期ライム病間の病原体と宿主相互作用を解明するために、遊走性紅斑として知られる大きい(5cm以上)の紅斑という特徴的な初期症状の時空間ダイナミクスを説明する数理モデルを作成した。モデルによって、バクテリアの複製と散布速度が紅斑の拡大速度を制御する主要な因子である一方で、活性化マクロファージが真皮から除去される速度が紅斑の形態の主要な決定因子であることが予測された。さらに、モデルによって、抗生物質治療は真皮からスピロヘータをすばやく除去することと、紅斑の見た目は治療の効率性の指標ではないことが支持された。モデルの結果と臨床データとの定量的な整合性から、このモデルがより効果的な薬剤治療を開発するために用いられること、そして他にみられる感染症における病原体と宿主の相互作用をモデル化すらための基礎を形成する可能性があると考えられる。

 

印象的な図

Figure3. 3種類の紅斑に対する治療効果

 

雑記

この数理モデル、紅斑の拡大を再現できたって書いてるけど、動画では拡大してるようにはみえないんだよなぁ