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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ウシエビIKKsはサイトカイン様システムの制御と自然免疫システムの抗ウイルス反応に参加する

Nhnhkorn Z; ...; Kawai T, Tassanakajon A(2019.6, Front Immunol.)[Penaeus monodon IKKs participate in regulation of cytokine-like system and antiviral responses of innate immune system.]

 

理由

免疫サマースクール予習2

 

概要

 IKK-NF-κBシグナリングカスケードは炎症と免疫反応において重要かつ敏感なメカニズムの一つである。kappa Bキナーゼ(IKKs)の阻害剤と呼ばれる重要なキナーゼタンパク質はカスケードの活性に関与する主要因子を与える。ここでは、ブラックタイガーエビのウシエビからIKKホモログ(PmIKK β, PmIKK ε 1, and PmIKK ε 2)の全部のORFsを同定し、エビの抗ウイルス反応におけるそれらの機能を特徴づけた。PmIKK 転写因子は調べた多様な組織で広く発現しており、エビ血球の3種においてPmIKKεタンパク質が検出された。PmIKK ε 1 and PmIKK ε 2 だけが白斑病ウイルス(WSSV)、黄頭ウイルス(YHV)とバクテリアVibrio harveyi感染に応答する一方で、PmIKK βは病原体感染に対する応答を示さなかった。逆に、dsRNA調節性RNA干渉によってPmIKK βとPmIKK εを抑制するとWSSV感染エビは急速に死に、IFN様PmVago4 転写因子は有意に減少した。逆に、抗菌ペプチドALFPm3 and CrustinPm5, and a transcription factor, PmDorsal were significantly increased, those of ALFPm6, CrustinPm1, CrustinPm7, PmVago1, PmRelish, and PmCactusのmRNAレベルは変わらなかった。 HEK293T細胞のPmIKKβ and PmIKKε過剰発現はそれぞれNF-κBとIFNβプロモーター活性を方法で活性化した。これらの結果により、PmIKKβとPmIKKε は多様なシグナル経路からの免疫関連遺伝子の発現を制御する共通因子として働く可能性があることが示唆された。興味深いことに、PmIKKsはエビのサイトカイン様システムと自然免疫反応におけるシグナル経路間のクロストークにおける役割にも貢献する可能性もある。

 

雑記

「細胞性粘菌の角に頭ぶつけて死ね」という罵倒を思いついたが、それを使われる対象である生物学者はか弱き生き物なのでそんなこと言わないで優しくしてやってほしい。