これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

p38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼを阻害すると、マウスの慢性強皮症の移植片対宿主病が阻害される

Takashi Matsushita;..;Manabu Fujimoto;Kazuhiko Takehara(2017.4, The American Journal of Pathology)[Blockade of p38 Mitogen-Activated Protein Kinase Inhibits Murine Sclerodermatous Chronic Graft-versus-Host Disease]

 

理由

今度潜り込みにいく皮膚科の授業の担当教員1

 

概要

マイナー組織適合抗原をを越えて、亜致死的に照射BALB/cマウスへのB10.D2マウスの骨髄移植(BMT)はヒトの強皮性移植片対宿主病(Scl-cGVHD)と全身性多発性硬化症(SSc)の動物モデルとして設立されている動物モデルである。p38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路は炎症とサイトカイン産生の重要なである。さらに、p38MAPKの活性はSScにおけるコラーゲン産生において重要な役割を果たす。筆者らはScl-cGVHDマウスにおけるp38 MAPK阻害剤 VX-702の効果を調べた。BMTの後7日目から35日目までScl-cGVHDマウスに経口投与した。VX-702処理グループとコントロールグループ間のScl-cGVHDマウスの皮膚繊維症を比較した。同族移植BMTは皮膚におけるp38 MAPKのリン酸化を増加させる。VX-702の投与によって、コントロールのマウスに比べてScl-cGVHDの皮膚繊維症が弱まる。免疫組織化学染色によって、VX-702はコントロールマウスに比べてScl-cGVHDマウスの真皮ではCD4+T細胞とCD8+T細胞そしてCD11b+細胞の浸潤が抑制されたことが分かった。VX-702はScl-cGVHDマウスの皮膚におけるIL-6やIL-13のような繊維形成サイトカインや細胞外マトリックスのmRNA発現を弱めた。加えて、VX-702は生体外で線維芽細胞からのコラーゲン産生を直接阻害した。VX-702はScl-cGVHDとSScの患者の治療における利用の候補の見込みがあることが示された。

 

雑記

みんなGVHD好きだなぁ・・・少し前は自己免疫疾患が人気だったんだろう。今はガン免疫だけど。。。