これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

角質細胞において恒常的な糖質コルチコイドの活性を弱めると、異常なアルテミン産生を介してアロネーシスが誘導される

Matsumoto A;...;Terao M; Katayama I(2018.7, J Invest Dermatol.)[Attenuated Activation of Homeostatic Glucocorticoid in Keratinocytes Induces Alloknesis via Aberrant Artemin Production.]

 

理由

授業予習

 

概要

強烈かつ慢性的なかゆみはアトピー性皮膚炎患者の生活の質をかなり減少させ、毎日の活動を損なう。アロネーシスとして知られる異常なかゆに敏感化は、無害な刺激によって誘導されるが、この過程を動かすメカニズムは曖昧なままである。心理的刺激と環境刺激はアトピー性皮膚炎症状を悪化させることが知られている。最近、角質細胞で発現している酵素11βヒドロキシステロイド デヒドロゲナーゼ-1(HSD11β1))が内在性糖質コルチコイドを活性化させることで環境刺激に対する恒常性を維持していることが示された。角質細胞におけるHSD11β1の役割を調べるため、角質細胞特異的にHsd11bKO(HSD11b1KC-/-)マウスを作成し、皮膚表現型を解析した。HSD11b1KC-/-マウスは異常な皮膚神経支配と、光誘起的刺激誘発性のかゆみ(すなわちアロネーシス)を含む皮膚過敏性を示した。異常なアルテミン産生によって誘導される内在性糖質コルチコイド活性が弱まったことは、HSD11b1KC-/-マウスにおけるアロネーシスに関与していた。最終的に、ヒトの皮膚においてHSD11β1とアルテミンが有意な負の相関があるが、ADの皮膚では相関がないことを観察した。これらの結果から、表皮において皮膚恒常性を維持する内在性糖質コルチコイドは皮膚の神経支配と皮膚の過敏性の両方に影響することが示された。HSD11β1活性を調節は、皮膚の敏感性や痒みの治療対象になる可能性がある。

 

雑記

やっとおいついた・・・。