これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

中国のブラックボックス-伝統的な漢方の科学モデル

Matthias Theodorou; Johannes Fleckenstein(2019.2, Journal of Acupuncture Research)[The Chinese Black Box – A Scientific Model of Traditional Chinese Medicine]

 

理由

こないだ気になった漢方の数理モデルの論文

 

概要

伝統的な漢方(TCM)のモデルは、未だに西洋文化背景の観点から理解するのは難しい。科学的または臨床的研究にうまく統合するために、古典科学の”箱の外"を考えることが必要不可欠である。量子力学やシステム論、情報理論などの現代科学によって、TCMが情報処理の方法であるという新しいモデルができた。この目的のため、非決定的かつボトムアップの方法を可能にする”中国のブラックボックスモデル"を提案する情報理論の概念を応用する。決定できない複雑な系として患者を考えると、漢方診断における個人の情報を得る過程は、情報理論や量子物理学の「インプット-プロセス-アウトプット」過程と比較され、これはWheelerの”驚くべき20の質問"によってさらに記述されている。TCMにおいて、観察者は意思決定アルゴリズムを用いて、いわゆる"8原理"に基づく"yang"と"yin"のバイナリ極性によって診断の情報を確かめる。古代中国の用語と概念を体系的に再構成することで、中国学者Porketのラテン用語学の医学的文脈において特異的である、散在した科学的方法に焦点を当てる。

 

雑記

「陽」と「陰」をバイナリシステムって表現するの、面白いな