これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

位相固定の稀な遺伝子型を示す宿主と寄生者の赤の女王ダイナミクス

Jomar F. Rabajante;...; Dieter Ebert(2016.3, Science Advances)[Host-parasite Red Queen dynamics with phase-locked rare genotypes]

 

理由

ラボに回ってきたシンポジウム案内で面白そうな研究してる人を見つけたので

 

概要

宿主と寄生者間の相互作用は、赤の女王ダイナミクスと呼ばれる勝者のいない共進化を起こすという仮説がある。正規の赤の女王ダイナミクスは、宿主と寄生者の相互作用する全ての遺伝子型が負の頻度依存的選択を通じて、豊富に周期変動すると考えられており、これはどんな遺伝子型も同じ段階で頻発しないことを意味する。しかしながら、この予測では、自然界の宿主-寄生者系において、なぜ多くの稀な遺伝子型が起床であり続けるのか、は説明できない。これを調査するため、複数の宿主と複数の寄生者の遺伝子型を含む数理モデルを構築した。決定論的かつ制御された環境では、2つの遺伝子型間で優位度が周期的に変化する赤の女王ダイナミクスが起こった。一方で、増幅が少ない位相固定の同調ダイナミクスにおいては、残りの遺伝子型は長期間下位のままであった。しかし、モデルに確立的なノイズを導入すると、宿主や寄生者の下位の周期タイプが赤の女王ダイナミクスにおける新しいプレイヤーとして優位な周期タイプをとってかわった。このような進化的切り替えに影響する因子は宿主間競争や寄生の特異性、そして確率ノイズの程度である。モデルで初めて、宿主-寄生者共進化の根本になる、集団における稀でかなり周期的な遺伝型の存在を説明できる。

 

印象的な図

Fig4. 進化的ランドスケープ

 

雑記

最近「年金をさかのぼって払え」とうるさいのですが、あれの自分の老後に返ってくると思えないんだが・・・。