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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

生物学的なパターン形成:基本メカニズムから複雑な構造まで

A. J. Koch; H. Meinhardt(1994, Rev. Modern Physics)[Biological Pattern Formation : from Basic Mechanisms to Complex Structures]

 

理由

Pattern formationの論文

 

概要

高度に複雑な生物の確かな発生は、好奇心をそそる魅力的な問題である。一般に、基本的な物質は個体の各細胞で共通である。それなら細胞は共通の遺伝子の影響下で空間パターンをどのように産生するのだろうか?単純なモデルによって、最初にほぼ同質的な状態からパターンを生成することが議論された。それらのモデルは少なくとも2つの化学物質の相互作用とそれらの拡散に基づいている。局所的な自己触媒の概念と長期間の阻害の概念が基本的な役割を担っている。数値シミュレーションによって、組織の削除後のパターンの再生成や、成長の終了までの間に器官を正しく配置するまでの産生を正しく配置するといったような多くの基礎的な生物学的観察を説明する。

非常に複雑なパターンは、このようないくつかの基本的な反応の階層的な組み合わせによって再現可能な方法で生成される。動物の皮膚や多角形の形のパターン生成への応用を示す。さらに、それら自身が複雑かつ極性のある構造を示す単位の厳密な周期的パターンを作り出す方法を示す。これは以下の二つの例、ハエの目における光受容体の集積と成長するシュートの葉と腋芽の位置で示される。両方の場合で、下部構造はハエの目もしくは植物において存在するいくつかの初期的なパターン形成システムの影響下で細胞内極性を達成する。動物と植物のような関係が遠い個体における必須な段階を、同じモデルで記述できるという事実から、それらがいくつかの全体的なメカニズムを明らかにすると考えられる。

 

印象的な図

Figure7. ヒドラの再生

Figure8. 動物の皮膚模様

Figure10. 昆虫の翅の多角形構造

Figure11. ハエの目の構造

Figure13. 植物の構造

 

雑記

植物も動物もおなじシステムで記述できる、浪漫だ。