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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

繰り返し囚人のジレンマにおける対称性の破れとしての搾取の出現

Yuma Fujimoto, Kunihiko Kaneko(2019.5, Phys.Rev.Research.)[Emergence of Exploitation as Symmetry Breaking in Iterated Prisoner's Dilemma]

 

理由

金子先生シリーズ

 

概要

社会には、相互協力、逃亡そして非対称な搾取関係は一般的である。協力と放棄は、ゲーム理論の文脈においてかなり研究されたが、プレイヤー間の非対称な搾取関係はほとんど探索されていない。最近の研究において、PressとDysonによって、一人のプレイヤーが他者を学習したときにだねけ、囚人のジレンマゲームにおける非対称な搾取が達成されることが示された。しかしながら一方で、両方のプレイヤーがお互いを対称に学習し、彼らの利益を最適化しようとする場合に、このような一方向の搾取が安定的に成立するかどうかは知られていない。ここでは、他のプレイヤーの認識に基づいてよりよい利益を得るための強化学習を持つプレイヤーの確率的戦略における変化を記述する動的システムを初めて定式化した。この数式を標準的な囚人のジレンマゲームに応用することで、対称な戦略ダイナミクス対称なゲームルールにも関わらず、搾取関係が達成されることか数値的また解析的に示された。搾取されるプレイヤーが搾取するプレイヤーよりも利益が少なく、個人の戦略を最適化したとしても、この搾取関係は安定である。最終平衡状態が相互協力かdefectionか搾取のどれであるかは、初期状態にかなり依存している。defectorへの罰はプレイヤー間で振動し、よって、最終平衡に向かう複雑なbasin構造が現れる。言い換えると、初期状態の小さな変化が最終状態の劇的な変化を引き起こしうる。結果の一般性を考慮すると、この研究は社会における搾取の起源に関する新たな知見を与える。

 

雑記

PCの横の日付が2020になってるのを見て未だにおそろしい