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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

目の無い側の皮膚の異所的な色素化に関連する若いヒラメの背鰭の根元のSox10陽性細胞の同定

Mai Togawa;...; Tohru Suzuki(2019.1, J Exp Zool B Mol Dev Evol.)[Identification of Sox10‐positive cells at the dorsal fin base of juvenile flounder that are correlated with blind‐side skin ectopic pigmentation]

 

理由

カレイとヒラメの話

 

概要

ヒラメは、目のある側は黒く目の無い側は白いという左右の非対称な体色を発生する。しかしながら、幼魚を水槽で育てると、異所的な色素化がしばしば目の無い側で起こることがある。異所的な色素化の根底にある発生メカニズムを調べるために、最初に、同時にかつ再生刺激的な異所色素化の間に目の無い側の色素化過程と色素芽細胞の局所化を調べた。自然環境において変態を終えた野生で捕まえた若いヒラメを水槽で育てた。ここでは、背鰭と尾鰭の根元で開始する目の無い側の異所的な色素化を示し、このヒレの根元ではヒレの端で色素芽細胞が現れ、黒色素胞が表皮の下で小さな突起で広がっている。異所的な色素化前の若いヒラメにおける背鰭の根元で組織再生中に、再生された目の無い側の皮膚に黒色素胞と色素芽細胞が新しく現れ、創傷部位で急速に色素化を行う。再生刺激的な色素化の間に、再生された表皮の下でのみgch2陽性な色素芽細胞が検出された。次に、Sox10陽性細胞が背鰭の根元の結合組織に局在化しており、結合組織をDiODiOラベルした黒色素胞が創傷後に目の無い側の再生された皮膚で現れることを発見した。したがって、ヒラメの幼少期においてSox10陽性な色素細胞系列の前駆細胞が背鰭の根元に存在し、特定の刺激に応答して目の無い側の皮膚へ移動し始め、異所的な色素化を起こすと結論付けた。ヒラメにおける異所的な色素化は色素細胞分化の可塑性を調べるのによいモデルである可能性が高い。

 

雑記

予備校で生物の先生が二日酔いでぐったりしながら授業来て、「お前らも二日酔いでも人に説明できるくらいに理解しろ」って言いながらぐにゃぐにゃの絵でABCモデル完璧に説明してたのが忘れられない。なので、最近は酒を飲みながら論文を修正している