これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

蕁麻疹の多様な発疹の単純な反応拡散方程式

Sungrim Seirin-Lee;...;,Michihiro Hide(2020.1, PLOS)[A single reaction-diffusion equation for the multifarious eruptions of urticaria]

 

理由

自分の研究に(めちゃ)近いので

 

概要

蕁麻疹は一般的な皮膚疾患であり、局所的に皮膚の浮腫が急に現れて消えるのが特徴で、痒みを伴う。形やサイズ、色、もしくは発疹の持続期間の観点から、蕁麻疹のサブタイプや患者に特異的な、多様なマクロな皮膚発疹が見られることが特徴である。それにもかかわらず、蕁麻疹の多様な発疹の根底にあるメカニズムはほとんど分かっていない。発疹は皮膚のマスト細胞から放出されるヒスタミンによって引き起こされると考えられている。しかしながら、蕁麻疹の視覚的な特徴の多くは皮膚へのヒスタミンの単純な注射では説明できない。蕁麻疹の多様な発疹を説明するため、マスト細胞から放出されるヒスタミンの自己活性化と自己抑制を提案する1つの反応拡散モデルを作成した。このモデルを用いて、典型的に患者に見られる発疹の多様な幾何形状が、モデルパラメーターとマスト細胞への初期刺激のランダムさと強さによって説明されることを見つけた。さらに、蕁麻疹の輪の拡大速度が、実験系での真皮内注射で見られる輪の拡大速度よりも小さいことは、モデルと単純な拡散方程式によって説明されうることを証明した。本研究から、ヒスタミン放出の独立な自己活性化と自己抑制制御を含めた単純な反応拡散ダイナミクスによって、蕁麻疹における多様な発疹の形成の根底にある必須なメカニズムが説明される可能性があることが示唆された。

 

印象的な図

Fig3 蕁麻疹の多様な発疹とシミュレーション結果

 

雑記

これが修論提出2週間前に出るところ、流石ですねって感じだ