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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

生物のパターン形成の理論

A. Gierer & H. Meinhardt(1972, Kybernetik)[A theory of biological pattern formation]

 

理由

生物のパタン形成に関する古い論文

 

概要

形態形成における必須過程の一つは、ほとんど均一な組織から始まる組織構造の空間パターンの形成である。自己触媒またはクロス触媒に基づく相対的な単純な分子メカニズムが、組織のパターン形成を決定するモルフォゲンの初期パターンを説明できることが示される。この理論は、短い範囲の活性化、長い範囲の抑制、そして一方で活性と抑制の濃度と他方でそれらの供給源の濃度の分離に基づいている。細胞分化の効果のように、供給源濃度はゆっくり変化すると考えられる一方で、活性化物質と抑制物質の濃度は初期パターンを作るために急速に変化しうる。これは、拡散と他のメカニズムと分解によって拡大する供給源の自己触媒とクロス触媒の結果である。

近似方程式を用いて、モデル由来の基準はモルフォゲンの浅い分布から印象的なパターンを生じると予測される。パターンの極性は供給源勾配の方向に依存するが、供給源分布の他の特徴には依存しない。モデルはサイズ制御を説明することが提案されている。一定の非周期的なパターンの選択の依存性や、組織または周期的なパターンにおけるモルフォゲン濃度や位置間の1対1相関が得られる。この理論は多細胞組織だけでなく、極細胞のような細胞内分化にも応用される。

この理論は多様な分子解釈を許容する。最も単純なモデルの一つは二分子の活性化と一分子の抑制を含んでいる。供給源の勾配は、分解酵素の追加や勾配の蓄積によって代用される。抑制物質は活性の欠失や、活性を必要とする物質で代用されうる。供給源は活性化物質と抑制物質を放出する合成系、もしくは合成分子である。

計算機による計算によって、提案された理論の主な特徴が例示される。この理論は、パタン形成の適切な一次元モデルであるヒドラ定量データに応用される、二次的な頭部形成を説明する。

 

雑記

ひさびさに医学寄りの分子生物学研究の発表を聞いた。その現象の何がおもしろいのか、何が分かったことなのか、全く伝わってこなくて、久々に本当につまらなかった。しかし、つまらなかったことよりも、他人の研究をこんなにつまらなく感じてしまった自分の感性の劣化に絶望した