これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

反応拡散系における自己複製スポットの実験的観察

Kyoung-Jin Lee;...; Harry L. Swinney(1994.5, Nature)[Experimental observation of self-replicating spots in a reaction–diffusion system]

 

理由

昨日まで読んでた教科書に載ってた参考文献

 

概要

 1952年の素晴らしい論文において、Turingは化学反応拡散系において自発的に形成されうる生物系とパターンにおける関係の可能性を提案した。Turingの解析によって、パターン形成の数理モデルに関するかなりの量の理論研究を刺激したが、1990年から制御された研究室内実験ではTuringタイプのパターンは観察されていない。多様な物理系もしくは生物系で見られる非常に類似したパターンと化学パターンの関係と、化学パターン形成における関心がずっと継続している。最近、単純なモデル化学系の数値計算によって、複製を介する`誕生'と過密を介する'死’の一連の過程を受けるスポットパターンが解明された。ここでは、フェロシアニド-ヨウ素酸塩-亜硫酸塩反応における研究室実験において同様の現象が観察されることを報告する。幅広い実験パラメーターにおいて成長と複製の連続が観察され、これは単純な2種モデルによって再現されたことから、複製するスポットは多くの反応拡散系において生じうることが示された。

 

印象的な図

Fig2. スポットパターンが環状になる様子の数値計算結果と実験観察

 

雑記

私なんかは「分からないことは、分からないから面白い」と思う方だが、薬局の前で「相手が分からないから怖いんじゃない!」と叫んでるひとを見かけて、なるほどそういう感情もあるかと学んだ