第3章 発熱反応拡散系に現れる時空間パターン(後編)
三村昌泰(2006.2, 東京大学出版会)[非線形・非平衡現象の数理 第4巻 パターン形成とダイナミクス]
理由
反応拡散の勉強
概要
3.5 進行パルスの被衝突消滅現象
進行パルスの反射現象が起こる要因:進行パルスの速度が遅い
FHNやBZ反応:分岐が亜臨界型分岐であり、遅い進行パルスの存在は期待できない
3.6 進行パルスのプラナー安定性
拡大するリングが形を崩して自ら崩壊する場合がある
プラナー進行パルス:2次元帯状領域において1次元進行パルスをy方向に一様に拡張した進行パルス
3.7 リング波のダイナミクス
(A)進行パルス:衝突消滅 プラナー進行パルス:安定
リング波は形を変えず拡大、プラナー進行パルス波の一部からスパイラルパターンの形成
(B)進行パルス:衝突消滅 プラナー進行パルス:不安定
リング波は不安定、プラナー進行パルス波の崩壊
(C)進行パルス:衝突前消滅 プラナー進行パルス:不安定
リング波の崩壊
(D)進行パルス:反射 プラナー進行パルス:不安定
リング波の自己崩壊
3.8 まとめ
2次元パターンダイナミクスの2つの特徴
1. 衝突前消滅
2. プラナー進行パルスの不安定化
→拡大するリング波は崩壊し、複雑に時空変化するスポットパターンに遷移する
dの役割:プラナー進行パルスの不安定化を引き起こす
この現象は短距離活性因子-長距離抑制因子反応拡散系に現れる側方抑制不安定性と同じメカニズムによって起こる
εの役割:進行パルスの速度の低下を引き起こす
グレイ-スコットモデルに現れる進行パルスは必ずしも衝突消滅しないこと、2次元空間において複雑な時空間パターンが現れる
このような現象は進行パルスが存在するとき、その速度が遅いことが原因である
雑記
熱するのが早ければ、冷めるのもはやい