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合成的な側方抑制が頑健な割合の細胞種分岐を支配する

Mitsuhiro Matsuda;...;Miki Ebisuya(2015.2, Nature Communications )[Synthetic lateral inhibition governs cell-type bifurcation with robust ratios]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第3章3. 「数理モデル解析を用いたシグナル伝達機構の解明」の参考文献1

 

概要

多細胞生物における細胞種の多様性は、一連の二成分の細胞運命決定を通じて生み出される。デルタ-ノッチシグナル伝達系によって制御される側方抑制は、一律の隣接細胞によって異なる細胞種を選択する主要なメカニズムである。ここでは、デルタ-ノッチ依存的な側方抑制回路を組み込んだ細胞が、自発的にデルタ陽性とノッチ陽性の細胞種に分岐することを示す。この合成的な側方抑制回路にはデルタの転写抑制とLunatic fringe(Lfng)の細胞内のフィードバックが含まれる。Lfngフィードバック回路は単体でも、自発的な細胞種分岐を起こす。さらに、側方抑制によって分岐した2つの細胞種の割合は、再現性が高く、摂動に頑健であった。細胞種の割合は細胞間接着の度合いや側方抑制回路の構造により調節可能である。よって、隣接細胞間の側方抑制の最小メカニズムによって、個々の才能の細胞種切り替えが起こるだけでなく、細胞集団レベルの細胞種比率も支配される。

 

印象的な図

Fig5. 細胞間接着の度合いで細胞種の割合が変化する様子

 

雑記

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