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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

生物学的可塑性による時空間パターン制御:普遍的原理と粘菌への応用

Miriam Grace; Marc-Thorsten Hütt(2015.11, PLOS ONE)[Regulation of Spatiotemporal Patterns by Biological Variability: General Principles and Applications to Dictyostelium discoideum]

 

理由

二成分反応拡散系の勉強

 

概要

時空間パターンはしばしば自己組織化的な局所相互作用から生じる。生物学において、この結果のパターンも、系の構成素間の体系的な違い(生物学的可塑性)の影響の対象となる。生物学的可塑性による時空間パターンの制御が、この総説のテーマである。細胞特性と自己組織化的な時空間パターン間の相関のいくつかの例について、生物におけるそれらの関係性と合わせて議論する。実例として、粘菌細胞のコロニーにおけるcAMPの空間的な波を挙げる。類似の過程が多様な状況(例えば、心臓組織。致命的な心室細動では潜在的に空間の波が起こっている)で生じているので、自己組織化的なパターン形成のさらなる階層を理解することは、幅広い応用に役立つだろう。物理もしくは化学系におけるパターン形成系と生物系のそれとの間の最も驚くべき違いの一つは、可塑性の潜在的な重要度である。物理や化学系では、系の構成要素は、自己組織化的な過程の詳細とその結果のパターンによって決定されるランダムな摂動と必然的に同一である。生物学においては、可塑性によって、潜在的に非常に少ない細胞の特性が、コロニーの非対称な選択的な状態を生み出す影響を起こすことができる。可塑性は、少ない要素で選択的なモードの制御を実装する一つの方法である。制御構造やシグナルカスケードのパラメーター、そして構造形成過程の特性は、観察される時空間パターンから"逆行"することができる。なぜなら、構成素間の相互作用の制御と形成が異なると、関係を大きくからである。この生物発想のパターン形成観の力は、2つのスケールの橋渡しとなる。一つは、大量の細胞の選択的な状態のパターンであり、もう一つは単一の細胞と他の内部パラメーターである。

 

印象的な図

Fig1. 螺旋波形成の紹介

 

雑記

見れば見るほど、らせんって不思議だなぁ