これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

動物における左右相称の進化は直接的な運動よりも内部輸送を好むのか?

John R. Finnerty(2005.11, Bioessays)[Did Internal Transport, Rather Than Directed Locomotion, Favor the Evolution of Bilateral Symmetry in Animals?]

 

理由

ラボで紹介されてたので

 

概要

左右相称動物の標準的な説明は、直接的な移動に対して放射相称よりも利点がある、ということである。しかしながら、最近の発生学、系統学研究から、左右相称性は直接的な移動の起源より早く存在する固着底生動物においても進化している可能性が示唆された。進化的に起こりやすい他の説明は、腸の区画化と主な繊毛管の位置に影響することで内部の回路の効率性を上げるために左右相称性が進化したというものである。この機能デザイン論は刺胞動物門を最もよく説明する。刺胞動物門は放射相称から四方性、二方性、そして左右相称性など多様な対称性をもつ。刺胞動物において、左右相称性は繊毛管の位置組換えと内部構造において最も強く現れている。さらに、左右相称的に対象な刺胞動物は通常固着性である。このような直接的な移動を行う左右相称的に対称な刺胞動物において、二次体軸の、左右相称動物に通常見られるような移動方向への方向性の一致は見られない。刺胞動物の中で、内部回路の左右相称的対称性の仮説的な利点は、実験解析と流体機械学の計算機モデルによって確かめられうる。刺胞動物の中の対称性の発生的進化は、対称性の異なる種間の比較遺伝子発現研究を通じてより調べることができる。

 

印象的な図

Fig1. 対称性の進化的関係

 

雑記

系統とか進化とかにどうしてもあんまり興味持てないのは、高校の頃からの過度な遺伝子・分子生物学の刷り込みによるものなのだろうか