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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

技術生態系における波及効果に対する事象

Guanglu Zhang;...;Daniel A. McAdams(2019.6, PLOS ONE)[A case against the trickle-down effect in technology ecosystems]

 

理由

ラボSlack に流れてきた、はず

 

概要

技術的な進化は時間と共に技術的性能の変化を記述する。技術的な進歩は、合理的なR&D標的を準備し、有望な技術を調査し、効果的な刺激政策を開発するため設計者や起業家そして政府職員に重要である。科学者や技術者は技術進化をモデル化するためにロジスティク関数と指数関数(ムーアの法則)のようないくつかの数学的関数を開発した。しかしながら、これらのモデルは単独において技術がどのように進化するかに注目し、他の技術とどのように相互作用するかは考えない。ここでは、系や要素そして基本的階層のある技術生態系をモデル化するため、集団生態学からのロトカ-ボルテラ方程式を拡張する。ロトカ-ボルテラ方程式を用いて旅客機の技術的生態系をモデル化する。結果から、技術生態系における限定的な波及効果が示された。ここでは、波及効果として上の階層の技術が下の階層の技術へ影響することを示す。制限された波及効果によって、系を構成する要素の技術(ターボファン 航空エンジン)と基本技術(エンジン 翼 超合金)の技術を促進して自動的に系の技術(旅客機)の進歩ができるわけではないことが示唆される。この研究によって系の技術だけの産業奨励策を通じて技術生態系の反映を維持することが効果的ではないことを警告する。意思決定者は重要な要素や基本技術の革新を支持することを考えるべきである。

 

雑記

この主張が正しいとして、生物の進化の文脈に持っていくと「要素(細胞や分子)の)進化が自動的に系(個体)の進化を起こすわけではない」になるのか?だとしたら要素進化と系進化の間にあるものはなんだ?確率とか偶然性のものなのか、何か言及できるものが存在するのか?