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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

制御ネットワークの構造と遺伝子発現パターンの多様性

AtsushiMochizuki(2008.1, Journal of Theoretical Biology)[Structure of regulatory networks and diversity of gene expression patterns]

 

理由

「理論生物学」第2章2-3 「生体分子制御ネットワークの構造の力学的解明」の参考文献

 

概要

遺伝子制御ネットワークの複雑性は、細胞の多様性の原因であると考えられる。制御ネットワークに基づく遺伝子活性のダイナミクスを通じて初期発生において、遺伝子の発現パターンで特徴化される異なる細胞タイプが生まれる。しかしながら、制御ネットワークと遺伝子活性のダイナミクスの間の関係はほとんど知られていない。この論文っでは、可能な遺伝子活性の多様性が遺伝子制御ネットワークのトポロジー構造から決定されるという"定常状態互換性"の考えを紹介する。基本の前提は非常に単純であり、遺伝子の活性は制御している遺伝子の関数であるという前提である。よって、制御遺伝子の活性が特異的であるとき、遺伝子は常に特異的な発現活性を示す。これに基づいて、定常状態の最大の可能な多様性は、遺伝子の制御関数を知ることなしに制御関係に関する情報のみを用いて決定される。このアイデアを拡張して、一般的な特性のいくつかが派生された。例えば、制御ネットワークにおける複数のループ構造が遺伝子活性の多様性を増加させるのに必要である。一方で、同じ遺伝子を共有する接続された複数のループは多様性を増加させない。この方法を、ウニにおける初期発生の原因となる遺伝子制御ネットワークに応用した。遺伝子活性の多様性を生み出す原因となる一連の重要な遺伝子は定常状態の互換性の概念に基づいて生まれる。

 

雑記

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