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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

計算機シミュレーションと画像処理によって、線虫の雄性前核の移動の初期メカニズムとしての長さ依存的な引き力が解明された。

Akatsuki Kimura;...;Shuichi Onami(2005.5, Development)[Computer Simulations and Image Processing Reveal Length-Dependent Pulling Force as the Primary Mechanism for C. elegans Male Pronuclear Migration]

 

理由

「理論生物学」第3章3-3「細胞骨格の力に依存した細胞構造の動態」の参考文献

 

概要

雄性前核は卵の中央に向かって移動し、接合子形成に雌性前核に達する。この移動は、雄性前核に関連する二つの中心体から成長する微小管に依存する。この移動にこれまで2つのメカニズムが提案されている。一つは「押し仮説」であり、これは微小管の重合の結果押し力を用いるものである。もう一つは、「引き仮説」であり、これは細胞質全体に固定されているマイナス端方向のモーターによって生まれる長さ依存的な引き力を用いるものである。2つの計算機関連解析を組み合わせて、雄性前核に移動に対するこれらのメカニズムの相対的な寄与を調べた。計算機シミュレーションによって、押しメカニズムと引きメカニズムの間の雄性前核の移動行動に内在的な違いが解明された。画像処理を用いる成体内測定によって、線虫内における実際の移動行動が引きメカニズムであることが確かめられた。単一の中心体を持つ雄性前核は単一の星状体に向けて移動した。引きメカニズムが雄性前核移動の初期メカニズムであることを主張する。

 

雑記

このまま毎日更新していれば、来年の今頃には1000記事に到達するようだ