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フェロトーシスのシステム生物学:モデリング法

Anna Konstorum;...;Suzy V.Torti(2020.5, Journal of Theoretical Biology)[Systems biology of ferroptosis: A modeling approach]

 

理由

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概要

フェロトーシスは、最近発見された鉄依存的制御の細胞死(RCD)の形態であり、多価不飽和脂肪酸(PUFA)部分を含むリン脂質の過酸化が起こる。この形態の細胞死の活性化は癌治療における戦略を生じさせる。複数の経路と複数種類の分子がこのフェロトーシス過程に寄与するので、腫瘍がフェロトーシスに敏感であるかを予測することは困難である。したがって、この過程のシステムレベルでの解析を行うために、フェロトーシスのいくつかの重要な経路の数理モデルを作成する。フェロトーシスの感受性は、PUFAのリン脂質膜に対する結合や、酸化促進因子(活性酸素やリポギシナーゼ)と抗酸化因子(GPX4)とのバランスを含む複数の上流カスケードの活性に依存することを示す。5つの入力変数(ACSL4,SCD1,フェロポーティン、トランスフェリン受容体、そしてp53)としてフェロトーシス感受性のシステムレベルの解析を行い、結果のシミュレーションをフェロトーシス感受性の"高い”グループと"低い"グループに組織化した。CD1とACSL4活性に対するフェロトーシス感受性の組み合わせの要求に対応する新しい予測を作る。この予測を確かめるために、SCD1とACSLのシングルノックダウンとダブルノックダウンを持つ卵巣ガン細胞系列のフェロトーシス応答をモデル化する。実験の結果が計算の予測に一致することが分かった。この研究から、フェロトーシス入力の複雑な組み合わせ効果を理解するためと、フェロトーシスに対する癌の感受性を予測することにおいて、システムレベルの方法に利点があることが示唆された。

 

雑記

先週一週間、全身全霊をかけたおかげで使ってる言語アプリのトップコースで1位になれた。もう二度とあんなに外国語ばっかりやる時間は作らないと思うが、「やればできる」の教訓としては良い時間になったと思う。