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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

一貫しない刺激下でのIL-10駆動型マクロファージ表現型の制御

Yishan Chuang;...;Joshua N. Leonard(2017.2, Innate Immun)[Regulation of the IL-10-driven macrophage phenotype under incoherent stimuli]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

マクロファージは遍在する自然免疫細胞であり、異なる表現型に機能的に”分極化する”ことで健康や疾患に重要な役割を果たす。この表現型は大きく、典型的な炎症応答(M1)と免疫抑制と創傷治癒を促進する代替応答(M2)に分けられる。マクロファージは魅力的な治療標的であるが、分極化の理解が不完全であるため臨床的な操作が制限されている。分極化に関連する個々の刺激、経路、遺伝子が同定されている一方で、マクロファージが、複数の多様な刺激を構成する生体内の周辺環境をどのように評価するかはほとんど理解されていない。ここでは、”一貫性のない"刺激、すなわち異なるマクロファージ表現型をそれぞれ促進する刺激の組み合わせを用いて、このような組み合わせの刺激下で免疫抑制的なIL-10駆動型マクロファージ表現型がどのように誘導され、維持され、そして調整されるかを解明する。IL-10誘導性の免疫抑制表現型はおおよそ有力であるが、この表現型を維持する持続的なIL-10シグナリングが必要であった。さらに結果から細胞内タンパク質BCL3はIL-10駆動型表現型の重要なメディエーターであると解釈される。IL-12はIL-10処理したマクロファージの分極化に直接影響はしないが、IFNγは生体内のIL-10駆動型表現型を強化する正のフィードバックループを阻害する。よって、この新しい組み合わせの摂動方法のよって、マクロファージの意思決定と局所免疫ネットワーク機能に関する新しい概念が作られる。

 

印象的な図

Figure6. 複数のスケールのネットワークによる一貫性のない刺激の分析

 

雑記

人と旅行に行っても帰ってから「やっぱり我が家が一番だね」と思う年になってきた