これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

昆布はどのように異なる流動様式に適した形をつくるか:新しいしわ

M. A. R. Koehl:...:L. Mahadevan(Integrative and Comparative Biology, 2008.7)[How kelp produce blade shapes suited to different flow regimes: A new wrinkle]

 

理由

これも雑談の中で出てきたんじゃなかったか

 

概要

大型藻類の多くは、急な流れの水に晒されるような住環境で平面で紐のような歯をもつが、保護される場所では幅広いフリル上の”起伏のある"刃を持っている。巨大な昆布Nereocystis luetkeanaを用いて、これらの生態形態学的な違いがどのように生み出されるかを調べる。流速の遅い場所のN. luetkeanaの起伏のある刃は広がり、水中で不規則にはためく。それにより、光の捕捉が促進されるだけでなく牽引力が増加する。一方で、流速の速い場所の平たい昆布は、流線形の束に衝突し、流れている水の中で低い周期ではためくので、牽引力と光の捕捉の両方が減少する。この場所での透過実験によって、N. luetkeanaにおける刃の形が可塑的な特徴であることが分かった。異なる場所で成長している刃が、異なる流動様式における刃で行われる流体力学的抗力を模した張力の影響を受けるかに関する研究室での実験によって、形の変化は物理学的なストレスによって誘導されることがわかった。野外と実験室での成長実験の間、起伏のある刃と紐のような刃の両方のおける成長の空間分布をマッピングし、これらの違う形態がどのように生み出されるかを決定した。高い成長率は両方の形態の N. luetkeanaの刃の近接端の近くで起こるが、まっすぐな紐のような刃の逆の成長の速度は、広く起伏のある刃の成長速度より低い。端での長軸成長の速度は刃の中心線に沿った長軸成長の速度より大きいとき、刃の端に沿うフリルは可塑的な座屈によって生まれる。逆に、長軸成長速度が刃の短軸に沿った成長と等しいときに平面な刃が作られる。フリルは可塑的な座屈の結果であるので、迎合した起伏のあるN. luetkeana刃は、異なる構成によって簡単に生じる。例えば、刃の端に沿ったフリルの波長は変化し、刃全体は左まわりもしくは右回りの螺旋形にねじれる)。これは、自分の影を減らし、刃の表面に沿う物質交換を増加させる流水における刃の移動を促進するだろう。

 

雑記

研究室にでっかい昆布がある暮らし、楽しそうだな