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統合失調症遺伝子の候補であるDアミノ酸オキシダーゼ活性因子(DAOA)の構造、系統発生、そして結合研究

Sheikh Arslan Sehgal;...;Asif Mir(2013.1, BMC Theoretical Biology and Medical Modelling)[Structural, phylogenetic and docking studies of D-amino acid oxidase activator (DAOA), a candidate schizophrenia gene]

 

理由

BMCのTheoretical Biology and Medical Modellingの中で、最もアクセスされてる論文ってのが見れたのでしばらくはこのシリーズ

 

概要

背景

統合失調症は、世界的に起こり、診断が困難な神経変性疾患である。これは、先進国と発展途上国両方の患者間で自殺を引き起こす一番最初の神経障害である。Dアミノ酸オキシダーゼ活性因子(DAOA)はG72としても知られ、統合失調症グルタミン酸作動性仮説に直接関係している。これは、Dアミノ酸オキシダーゼを活性化する。Dアミノ酸オキシダーゼはDセリンを酸化し、N-メチルDアスパラギン酸受容体の修飾を起こす。

方法

MODELLER (9v10)を利用して、DAOA候補遺伝子の3次元構造を作成した。HOPEサーバーは変異解析に用いた。Molecular Evolutionary Genetics Analysis (MEGA5) ツールを利用して、候補遺伝子DAOAの進化的歴史を再構成した。AutoDockを用いて、タンパクリガンド結合を、Gramm-XとPatchDockのタンパク間結合に用いた。

結果

BLASTpを用いて、33%のクエリカバーと27%の同定率と4.9のE値に基づいて適切なテンプレート(1ZCA)を選んだ。 Rampage評価ツールは91.1%の良領域と4.9%の許可領域そして4.1%の外れ値領域を示した。ERRATによって、予測モデルが50.909%のクエリファクターを持つことが示された。DAOAの変異解析によって、DAOAタンパク質の水素結合と正確な折りたたみの有意な効果が示された。これは順にタンパク質の立体配座に影響する。ユウレイボヤは外群と推定された。四足動物は分岐の適切なクラスターに存在した。ヒトのアミノ酸配列は、チンパンジーやゴリラから保存されており、1000配列複製に基づく80%の相同性とブーストラップ値を示した。分子結合解析を用いてDAOAの報告されたリガンド複合体に結合モードを解明した。結合実験によって、DAOAは主なアミノ酸相互作用に関与する。これはリガンドC28H28N3O5PS2と最も強く相互作用する残基は極性があるが、電荷が無く (Gln36, Asn38, Thr 122) 非極性の疎水性である(Ile119, Ser171, Ser21, Ala31)。タンパク間結合シミュレーションによって、DAOAに関係する2つのイオン結合と一つの水素結合が示された。受容体タンパク質のLys-7はLys-163 and Asp-2037と相互作用する。Tyr-03はリガンドタンパク質のArg-286と相互作用し、水素結合を形成した。

結論

予想された相互作用はこの疾患関連配列の阻害に役立つかもしれない。最近のバイオインフォマティクス方法は、統合失調症の同定や解析、治療に有意に貢献するだろう。

統合失調症の効果的な薬剤の開発は緊急課題であり、より正確かつ効果的な候補遺伝子の調査ツールが必要である。

 

雑記

久々にタンパク系の論文一生懸命読んだ