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アセトアミノフェンの肝毒性と救出

Rotem Ben-Shachar,:..:H Frederik Nijhout(2012.12, Theoretical Biology and Medical Modelling )[The biochemistry of acetaminophen hepatotoxicity and rescue: a mathematical model]

 

理由

BMCのTheoretical Biology and Medical Modellingの中で、最もアクセスされてる論文シリーズ

 

概要

背景

アセトアミノフェン(N-アセチル-パラ-アミノフェノール)は、世界中で最も広く用いられている店頭薬剤や処方鎮痛剤である。アセトアミノフェンは肝臓で代謝され、そこではグルタチオンと結合として除去されるような有毒な副産物が産出される。偶発的もしくは意図的なアセトアミノフェン過剰摂取は、年に56000回の救急搬送を伴うアメリカでの急性肝不全を引き起こす。過剰摂取の標準的な治療はNアセチルシステイン(NAC)であり、これはグルタチオン産生を刺激する。

方法

消化管、血漿、肝臓、組織、尿を考慮するアセトアミノフェン輸送と代謝数理モデルを作成した。肝臓部分では、ア入手可能な文献の生化学パラメーターを考慮してセトアミノフェン代謝には硫酸化、グルクロン酸抱合、グルタチオンとの除去、有毒代謝物の産生そして肝臓障害を含めた。そして、このモデルは以前考慮したグルタチオン代謝

モデルと接続した。

結果

我々のモデルは、血漿におけるアセトアミノフェンの量依存的な時間変化、尿におけるアセトアミノフェンの蓄積、そして有毒産物との除去によって起こるグルタチオンの欠失に関する既知の臨床的かつ実験的データを正確に再現することが示された。モデルを用いて、過剰摂取もしくは治療量の慢性的な利用によって起こる肝臓障害の拡大を調べた。モデルを用いて、グルタチオンの欠失と解毒剤として与えられるN-アセチル-システインのサイズとタイミングの効果を調べた。我々のモデルは、APAPのサイズと治療のタイミングに依存する患者の死や回復を正確に予測した。

結論

数理モデルによって、アセトアミノフェンとグルタチオンの肝臓代謝に対する多様な量のアセトアミノフェンの効果を調べる新しい道具が与えられる。アセトアミノフェン代謝が肝臓酵素の発現レベルにどのように依存するかを調べるのに用いられる。最後に、これはAPAP接種と異なるNAC投与戦略に対する患者の代謝的かつ生理的反応を予測するのに用いられる。

 

雑記

アセトアミノフェン、諸々が痛むときによくお世話になっています