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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

テントウムシにおける色パターンの発生と進化:ナミテントウの場合

Toshiya Ando; Teruyuki Niimi(2019.1, Develop Growth Differ. )[Development and evolution of color patterns in ladybird beetles: A case study in Harmonia axyridis]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてておもしろそうだったので 

 

概要

多くの生物は体に多様な幾何的な色パターンを示す。これらのパターンの発生的、進化的、そして生態的基盤は様々な生物においてかなり研究されてきた。テントウムシは翅(鞘翅)の色に非常に異なるパターンを示し、これらの特徴を研究する上で最も魅力的なモデル生物の一つである。本研究では、Thomas Hunt MorganとTheodosius Dobzhanskyの学生によって行われた従来の遺伝研究から、pannierという単一のGATA転写因子遺伝子がこの種の鞘翅の非常に多様な色パターンを制御することを解明した最近の遺伝的研究まで、アジアの複数の色を持つテントウムシHarmonia axyridisにおける鞘翅の色パターンの遺伝的歴史をまとめる。H.axyridisにおけるpannierの局在によって駆動される発生、進化的メカニズムもまとめ、議論する。発生に関しては、以下の二つのトピックスに注目する。(a)鞘翅の赤色(カロテノイド)と黒色(メラニン)色素が、pannierや色素遺伝子によってどのように制御されるのか(b)翅発生に関与する他の遺伝子からの制御性入力を統合することでこの多様な色パターンがどのように形成されるのか、である。進化に関しては、56-76kbの長さで、再発する複数の反転を通じて生み出されるpannierの最初のイントロン中の非常に多様なDNA配列に注目する。さらに、これらの再発する反転が進化のなかで色パターンの多様化をどのように駆動したかを議論する。

 

雑記

似てないモノマネをずっと見せられる気持ちと、現象の不明瞭な数理モデルシミュレーションを見せられる気持ちは似ている