これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

集合的な多細胞発生の生態学的利点と進化的制限

Jennifer T.Pentz;...;William C.Ratcliff(2020.11, Current biology)[Ecological Advantages and Evolutionary Limitations of Aggregative Multicellular Development]

 

理由

ラボSlackに落ちてた気がする

 

概要

全ての多細胞生物は1つか2つの基本的な道筋を通じて発生する。すなわち、キメラ的な多細胞集合体を潜在的に作ることができる、自由に生きている細胞が集合するか、もしくは母-娘細胞接着を介してクローン的に発生するかのどちらかである。進化理論によってこれらの発生モード間のトレードオフに関する明確な予測が生まれたが、これらは別な方法で遺伝的に同一な生物において確かめられてはこなかった。単細胞のパン酵母(Saccharomyces cerevisiae) を遺伝子組み換えし、クローン性(“snowflake”; Δace2) もしくは集合性(“floc”; GAL1p::FLO1)のどちらかを作った。そして、成長の周期と急速な沈降の選択によって特徴化される変動する環境における適応度を調べた。独立して培養すると、集合はクローン発生よりかなり優先しており、成長は35%有利であり、定住の選択は2.5倍有利であった。しかし、直接競合させた場合、クローン的に発生したsnowflake酵母は急速に集合性のflocに取って代わられた。これは予期せぬ社会的な搾取によるものであった。すなわち、snowflake 酵母は接着性FLO1を産生しないにも関わらず、floc細胞自身よりも高い頻度でflocと共役するようになる。キメラ的な群の集団はflocだけよりも早く定住し、競合の間に適応度の高いsnowflakeを形成する。数理モデルによって、このような発生搾取は回避することが難しいことが示唆された。すなわち、クローン性を維持することで搾取を回避するような仮説的な”選択的 floc"は、数が少ないときに生態的コストを払い、絶滅する。結果から、集合体発生の中心的な対立が注目された。それは、非特異的な細胞結合が、急速にグループを形成できるという強い生態的利点を生み出すが、まさにこの特徴がその絶滅を引き起こしてしまう。

 

雑記

なんにもしない休みが欲しいけど、なんにもしないと不安になってしまうのでそんな日は来ないのだ