これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

新しい計算機モデルによって、リンパ節におけるケモカイン勾配形成の重要な制御因子とCCL19とACKR4の場所特異的な役割が予想された。

Mohammad Jafarnejad;...;James E. Moore Jr.(2017.10, J Immunol)[A Novel Computational Model Predicts Key Regulators of Chemokine Gradient Formation in Lymph Nodes and Site-Specific Roles for CCL19 and ACKR4]

 

理由

免疫関係の数理モデル研究を調べていて見つけた

 

概要

モカイン受容体CCR7はリンパ節(LNs)内外での白血球の移動を駆動する。これはケモカインCCL19やCCL21によって活性化され、これらは、不定形なケモカイン受容体ACKR4によって除去される。CCR7依存的な誘導は細胞外のCCL19やCCL21の分布によって決定され、これらは特定の微小解剖学的場所での濃度勾配を形成する。これらの勾配の確立や制御を裏打ちするメカニズムはほとんど理解されていない。この論文では、LN流束のモデルにCCL19-CCl21-CCR7-ACKR4ネットワークを記述する複数の生化学的過程を組み合わせて、節間のケモカイン勾配を調べる計算機モデルを作成した。重要なのは、モデルがB細胞濾胞内と濾胞間領域で実験的に観察されるCCL21勾配を再現し、節間ケモカイン分布を正確に予測する能力の証拠が得られたことである。パラメーター変動解析によって、これらの勾配の方向性は頑健であるが、その大きさは重要なパラメーター(ケモカイン産生、拡散性、マトリックス結合場所の可能性そしてCCR7の除去)に対して鋭敏であることが分かった。モデルによって、リンパの流れが節間のCCL21勾配を形成し、CCl19はB細胞濾胞とT細胞領域間の境界で機能的に重要であることが示された。さらに、LNsにおけるACKR4は輸出リンパにおけるCCL19/CCL21の集合を阻害するが、節間の勾配は制御しないことが予測された。代わりに、ACKR4のない上流へのこれはAckr4欠損のLNsで観察される節間CCL21勾配の崩壊に寄与する。したがって、この新しい方法によって、新たな検証可能な予測と実験データの異なる解釈が生まれた。さらに、これは実験的に可視化できない、もしくは他のケモカインが関与するような他の場所での勾配を調べる枠組みととしても機能する。

 

雑記

そろそろ冬眠してもいいかな