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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ピロリ菌感染間のCD4+濾胞性ヘルパーT細胞と制御性T細胞の双安定性解析

Andrew Leber;...;Bassaganya-Riera(2016.7, Journal of Theoretical Biology)[Bistability analyses of CD4+ T follicular helper and regulatory cells during Helicobacter pylori infection]

 

理由

参考文献になりそうだったので

 

概要

濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞は、非常に可塑的なCD4+T細胞のサブセットであり、感染性や免疫調節性疾患の間に炎症応答や作用応答を促進してB細胞を助けることに特化している。ピロリ菌は腸微生物叢の支配的な群であり、宿主に有益と有害な効果の両方を与える。ピロリ菌の文脈における慢性炎症はヘルパーT(Th)1細胞とTh17 CD4+細胞表現型の増大と関係があり、これはインターロイキン21というサイトカインによって一部制御されている。本研究では、ピロリ菌に対する免疫反応において、IL-21の主な産生を担うTfh細胞の分化と制御を調べる。慢性的に増加しているTfh集団の促進と抑制に影響する条件を理解するために、トップダウンボトムアップ法を用いてTfhと濾胞性制御性T細胞(Tfhr)細胞の分化の計算機モデルを開発した。安定性解析を用いて、補正したTfh/Tfrモデルにおける2つの相安定な定常状態の存在を特徴化した。確率シミュレーションを用いて、2つの異なる行動パターンを検出するパラメーターセットの能力を説明した。さらに、感受性解析によって、TfhとTfr細胞集団の確立における多様なパラメーターの重要性が分かった。主要なネットワークモデルは、サイトカイン産生やシグナリング経路を含めることでより包括的かつ予測的なモデルに拡張された。拡張ネットワークから、TGFB誘導性因子ホメオボックス1(Tgif1)とレチノイドX受容体(RXR)との相互作用が、Tfh応答の決定を制御することが示された。モデルのシミュレーションから、Tgif1とRXRがそれぞれTfh応答を誘導、削減することが予測された。この計算的仮説は、ピロリ菌に感染したマウスの腸におけるTgif1,RXRとTfhを解析することで実験的に確かめられた。

 

雑記

変化(向上)したいと思う気持ちと安定したいという気持ちがせめぎあっている