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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ポジティブフィードバックループは線維芽細胞を双安定的に活性化する

So-Young Yeo;...;Seok-Hyung Kim(2018.8, Nature Communications)[A positive feedback loop bi-stably activates fibroblasts]

 

理由

参考文献になりそうだったので

 

概要

線維芽細胞は通常の組織では不活化しているが、創傷治癒の際は爆発的な活性化を示し、病的な線維症や癌基質においては恒久的に活性化している。これらの線維芽細胞動態を調節する重要な制御性ネットワークはまだ知られていない。ここでは、ガン関連線維芽細胞の重要な制御因子であるTwist1がPrrx1を直接増加させ、そしてテネイシンC(TNC)の発現を増加させることを報告する。TNCもTwist1発現を増加させ、結果的にTwist1-Prrx1-TNCのポジティブフィードバックループ(PFL)を形成する。システム生物学研究によって、Twist1-Prrx1-TNC PFLが双安定なON/OFFスイッチとして機能し、線維芽細胞の活性化を制御することが明らかになった。このPFLは病的な状況下で不可逆的に活性化され、恒久的な線維芽細胞活性を引き起こす。Twist1-Prrx1-TNC PFLの活性化の維持は生体内の特発性肺線維症によく似た線維性小結節を再現し、線維症や癌基質に関係している。このPFLが活性化線維芽細胞に特異的であることを考慮すると、Twist1-Prrx1-TNC PFLは恒久的に活性化した線維芽細胞を再分化させるための線維芽細胞特異的な治療標的になる可能性がある。

 

印象的な図

Fig9. 正常な状態と病的な状態のPFLの違い

 

雑記

いい論文、あるじゃーん