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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

デボン紀のParaspirifer bownockeri(腕足動物)の計算機的な流束動態シミュレーション

Yuta Shiino;...;Nobuhiro Yoshikawa(2009.4, Journal of Theoretical Biology)[Computational fluid dynamics simulations on a Devonian spiriferid Paraspirifer bownockeri (Brachiopoda): Generating mechanism of passive feeding flows]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてたやつ

 

概要

デボン紀のParaspirifer bownockeriの受動的な流束を発生させるメカニズムを、固い殻の周りの流れの流束ダイナミクスシミュレーションを通じて理論的に解明した。RANS方程式を乱流モデルとして用いて、不安定な非圧縮性流れを有限体積法を用いて解いた。背と腹の2つの方向の流れは、貝の中で小さな交換流が起こるような典型的な状況として調べられた。Paraspiriferの良く保存された化石標本のポリカーボネート板を成形することで作った貝のレプリカのX線CT画像の画像処理を行うことで、貝のデジタル画像を構成した。流束の速度の効果を調べるために、周囲の流束の速度の3つの状況を背側と腹側の流束に適用した。貝の隙間に沿った圧力の分布から、全てのシミュレーションの場合における溝の周りで比較的高い圧力が生じることが示された。この高い圧力は、特に早い周囲の流束において、溝から流入と、それに続く螺旋の内部流を生み出した。このことから、溝は隙間の周りでかなりの圧力勾配を受動的に生み出し、安定した海水の取り込みと採餌のための貝の内部の水の螺旋の流れを生み出すことが示された。結論として、あるspirifer目の貝の形は受動的な採餌を促進するために、螺旋の流れを生み出し、溝は受動的な水の取り込みに重要な形態として解釈される。

 

印象的な図

Fig10. 貝の周りの流れのふるまいの図

 

雑記

腱鞘炎になりそう