これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

皮膚常在免疫細胞は、健康時の上皮細胞内の分布を能動的に調整する。

Sangbum Park;...;Valentina Greco(2021.1, bioRxiv)[Skin-resident immune cells actively coordinate their distribution with epidermal cells during homeostasis]

 

理由

ラボSlackで流れてきた

 

概要

ヒトの器官は、適切な構造と機能を確保する複数種の細胞で構成される。異なる種類の細胞がどのように共存、相互作用して生体内の恒常性を維持しているかはまだ解明されていない。皮膚の表皮は主に上皮細胞を含むが、ランゲルハンス細胞(LCs)と上皮樹状T細胞(DETCs)も含んでいる。傷害や感染に応答して、LCsとDETCsは活性化して免疫に役割を行う。健康な間、それらは表皮の一番下層の上皮細胞に共存する。LCsとDETCsの分布が健康な間制御されているのか、またどのように制御されるのかは不明である。ここでは、生きた成体マウスの皮膚内のLCs,DETCsそして下層の上皮細胞を時間と共に追跡することでこの問いを扱う。隣の下層の上皮幹細胞が継続的にターンオーバーするにも関わらず、LCsとDETCsは全体の位置を維持することが分かった。さらに、LCsとDETCsはそれらの樹状の進展を介して下層上皮細胞の接点を急速かつ最大的に探す。上皮細胞密度を変化させると、免疫細胞の対応する変化を引き起こすが、その逆は起こらない。このことから、上皮細胞が表皮内での免疫組織構成を決定することが示唆される。さらに、LCsとDETCsは能動的に維持されているタイルパターンにおいて組織化されている。LCsまたはDETCsを異所的に除去すると、隣接する上皮LCsとDETCsはそれぞれ空いている空間や再構成されたタイルパターンへと移動する。最後に、LCsはそれらの位置の安定性や密度、タイルパターンを維持するのにGTPase Rac1を必要とする。結局、上皮細胞は健康な間免疫細胞の密度を制御し、免疫細胞は能動的に非ランダムな空間分布を維持することが分かり、神経の自己回避を想起させる。これらの細胞メカニズムは環境変化に対する最適な反応を上皮に提供することを提案する。

 

 

 

雑記

勉強になります