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重度の臨床的外傷の脳傷害における神経炎症の数理モデル

Leah E. Vaughan,;...;Jonathan E. Rubin(2018.12, Journal of Neuroinflammation)[A mathematical model of neuroinflammation in severe clinical traumatic brain injury]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

背景

外傷性脳損傷(TBI)に続く組織損傷の炎症メディエーター間の相互依存性を理解することは、効果的で患者特異的な治療の提供に必須である。活性化したミクログリアと炎症シグナル分子の濃度上昇は、急性の神経炎症と関連する複雑なカスケードを反映し、TBI後の回復を予測する。しかしながら、最近の臨床的TBI研究は、同時に進化している炎症メディエーターの動的な時間パターンをモデリングすることに注目してこなかった。これは、将来的な免疫調節性の治療の研究の設計を導く可能性がある。

 

方法

常微分方程式(ODE)で構成される数理モデルを導出し、炎症性と抗炎症性サイトカイン、M1,M2陽のミクログリア、そして中枢神経系(CNS)組織損傷間の相互作用を表す。ミクログリア活性と表現型分化において役割を持つことが知られているIL-1β,IL-4,IL-10そしてIL-12のいくつかのサイトカインの変数を組み込んだ。深刻なTBIの成人89人の傷害後5日間で集めた脳脊髄液(CSF)のサイトカインデータにモデルを合わせた。3つの患者のグループのために合わせたモデルの集合が作られた。(1)好ましい結果のグループ(GOS = 4,5)と、(2)炎症量が低い好ましくない結果のグループ(GOS = 1,2,3)と、(3)炎症量が高い好ましい結果のグループである。サブグループ間のパラメーター分布における違いは、バタチャリア法を用いて評価し、異なるTBI結果の患者グループの神経炎症パターンの根底にあるメカニズムの違いを発見する。

結果

データに合わせた最適なモデルは、患者のグループによって異なるミクログリアと傷害応答を示した。モデルのパラメーター分布を比較すると、好ましくない結果のグループは、持続的で病理学的な神経炎症か、一過的で準病理的な神経炎症のどちらかで特徴化された。

結論

臨床データに基づく炎症過程の数理的特徴を開発することで、急性神経炎症要素と深刻なTBIにおける患者の結果との間の関係を探索するシステムを作成した。

 

雑記

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