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瞬時の原形質のゲル化を介する真菌の創傷治癒

Tu Anh Nguyen;..;Gregory Jedd(2020.11, Current Biology)[Fungal Wound Healing through Instantaneous Protoplasmic Gelation]

 

理由

ラボSlackシリーズ

 

概要

多細胞生物は流体輸送ネットワークを活用して、拡散の制限を克服し、必須の長距離輸送を促進する。結合と加圧によって、これらのネットワークは特に創傷に脆弱なる。このリスクを軽減するため、動物、植物そして多細胞細菌は独立して、精巧な凝固と施栓メカニズムを進化させた。有隔の繊維質細菌において、膜境界の小器官が傷を受けた菌糸における隔壁孔を施栓する。一方で、初期に多様化したケカビ門における栄養菌糸は多くが無隔壁であり、これらの菌糸が傷にどのように反応するのかは知られていない。ここでは、ケカビ目における創傷が、原形質のゲル化によって急速に終了される爆発的な原形質の流出を引き起こすことを示す。ケカビ門特異的なジェリンタンパク質を同定し、この機能が失われると、創傷誘導的な原形質の流出が制御できなくなる。ジェリンは10種の関連するβ-三つ葉型GⅡドメインを含み、このそれぞれは、直接ゲル化に関連する特性に影響する独特の特徴を持つ。このいくつかは流束由来の機械的な力を受けた時に、高次のシート様の構造をすぐに広げたり形成する一方で、他のものは、膜結合が可能な疎水性モチーフをもつ。細胞の無い再構成において、一部のジェリンによって形成されたシート様の構造は膜小器官を組み込む。これらを合わせると、これらのデータは、制御化された原形質ゲル化の機械的基盤を定義し、人工的な流束反応性生物物質の開発の新しい設計原理を与える。

 

雑記

金曜の師匠は忙しいから、師走 と呼んでいい