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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

上皮細胞の不死化の根底にある遺伝子制御ネットワーク

Luis Fernando Méndez-López;...;Elena R. Alvarez-Buylla(2017.2, BMC Systems Biology )[Gene regulatory network underlying the immortalization of epithelial cells]

 

理由

参考文献探してて見つけたやつ

 

概要

背景

成体内におけるヒト上皮細胞の腫瘍形成性形質転換は、自発的な不死化の潜在的な結果として実験的に説明されてきた。この過程の特徴は一連の細胞状態遷移であり、これは通常の上皮細胞が、潜在的に腫瘍形成的なふるまいを示す間葉系幹細胞様の表現型の獲得を後に越えた最初の老化状態を獲得する遷移である。本論文では、これらの細胞種の出現と、上皮由来の腫瘍形成に共通する時間順の遷移パターンに対する系レベルのメカニズム的説明を与えることを目的とする。この目的のために、既知の機能的もしくは厳選された要素の分子データと、このような細胞状態や41分子要素のネットワークへの遷移に関与することが発見されてきた相互作用を初めて統合した。次に、(線形経路のような)単純なメディエーターを除くことでこの初期ネットワークを減少させ、制御コアが制御因子の状態の関数としてネットワーク要素のそれぞれの動態を支配する論理ルールになるという形式化をする。

結果

計算機動態解析によって、我々が提案する遺伝子制御ネットワークモデルは正確に3つのアトラクターを回復させることが示され、このアトラクターのそれぞれは上皮、老化、間葉系幹細胞表現型に対応する明確な遺伝子発現プロファイルによって定義される。間葉系幹細胞状態は非摂動生理学条件下でさえ達成されるが、炎症状況が刺激されるとこの状態への収束の確率は増加する。このことから、臨床観察される慢性炎症条件の発がん性の役割の系レベルのメカニズムの説明が与えられる。さらに、制御コアは、

生体内と生体外の両方で上皮細胞の自発的不死化の間に見られる時間順の遷移に似た回復パターンのような定常状態間の悪化の時間パターンを制限するエピジュネティック・ランドスケープを支配することも発見した。

 

結論

本研究から、生体外の上皮細胞の腫瘍形成形質転換は、生体内の上皮発癌性の病理的進行の間に観察されるパターンと強く相関があり、発生の間の上皮の分化転換に関与する基本の制御ネットワークから生じることが強く示唆された。

 

印象的な図

Fig3. 上皮-老化-発癌のエピジェネティック・ランドスケープ

 

雑記

はじめて上皮系でこのグラフみた