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ヒト大脳オルガノイドの転写因子プロファイルへの初期の幾何的閉じ込めの効果

Dilara Sen;..;Albert J. Keung(2021.2, bioRxiv)[Effects of early geometric confinement on the transcriptomic profile of human cerebral organoids]

 

理由

ラボSlackで拾った

 

概要

背景:形や機械的な力のような生物物理学的要因は、幹細胞分化や胚発生そして神経発生に重要な役割を果たすことが知られている。しかしながら、発生の初期段階やヒト胚や胎児研究に関する倫理問題のような複雑性と実験的問題によって、これらの因子がヒトの脳の器官形成にどのように影響するのかの理解が制限される。ヒト大脳オルガノイド(hCO)は、重要な脳領域と、初期の生体内の脳発生のトランスクリプトミクスを模することができるため、魅力的なモデルである。さらに、それらは生体内環境を模するのに良い3次元環境を提供する。最近、それらは神経発生における遺伝と溶解性因子の効果を理解するのに用いられる。空間因子とhCO発生の間の関係を確立するには、新しい方法の開発が必要である。

結果:ここでは、hCO分化の間のトランスクリプトーム問題における初期の幾何的閉じ込めの効果を調べた。カスタムと調整可能なアガロースマイクロウェルプラットフォームを用いて、多様な形の胚様体(EB)を作成した後にさらに、EBを脳全体のhCOsへ分化させた。結果から、マイクロウェルは、一般的に神経へ分化するhCOsの能力に負の成長影響を持たなかったこと、そして神経系統特化には明らかな形態依存効果があったことが示された。特に、球ではない形は、神経発生力学が変化した兆候を示し、内側神経節上衣脳領域と皮質領域の細胞種の発生を好むことを観察した。

結論:ここで示す発見はから、hCO発生間の脳領域特化における空間因子の役割が示唆された。これらの空間的にパターン化される因子を理解することは、生体内発生と分化における理解を促進するだけでなく、生体外応用のためのヒトモデル系を進歩させ促進する重要な手段を与える。

 

印象的な図

Fig1. アガロースマイクロウェルでの初期hCOの幾何的閉じ込めの工学と最適化

 

雑記

はやく暖かくなってほしい