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形態の複雑性の進化と発生に関して:遺伝子制御ネットワークの観点から

Pascal F. Hagolani;...;Isaac Salazar-Ciudad (2021.2, PLoS Comput Biol)[On the evolution and development of morphological complexity: A view from gene regulatory networks]

 

理由

ラボSlackに流れてきた

 

概要

形態の複雑性はどのように進化するのか?本研究から、表現型自身が複雑であるとき、表現型の複雑性を増加させる変異の確率は小さくなることが示唆された。加えて、遺伝型-表現型マップ(GPM)の複雑性も表現型の複雑性と伴に増加する。複雑なGPMsと上の変異非対称性は、発生の間に複雑かつ頑健な表現型を作るために遺伝子がどのくらい補強されるべきであるかの必然的な結果であることを示す。

EmbryoMaker中に遺伝子と細胞のふるまいをランダムにまとめた。 EmbryoMakerは、遺伝子ネットワーク、動物細胞のふるまい(分裂や接着、アポトーシス等)、細胞シグナリング、細胞と組織の生物物理、遺伝子産物による細胞のふるまいの制御を計算できる発生の数理モデルである。EmbryoMaker を通じて、各ランダムネットワークが発生や結果の形態(3Dにおける細胞や遺伝子発現の空間分布)をどのように制御するかを計算した。この方法で可能な3D形態の集まりを得た。実際の遺伝子ネットワークはランダムではないが、ランダムサーチによって複雑で頑健な形態を発生させるのに必要なものを、相対的に偏見なく探索できる。単純な形態を起こすネットワークと比べて、複雑な形態を起こすネットワークは以下の特徴を共通して持っている。(1)稀である。(2)良く調節されている(3)その変異は形態の複雑性を減少させる傾向がある。(4)ノイズに対する頑健性は少ない。(5)より複雑なGPMsを持つ。これらの結果から、複雑性が進化すると、何世代にもわたって減少していくことが示唆される。この理由は、形態の複雑性が増加するにつれて、複雑性を増加させる変異の確率が減少し、形態はノイズに頑健ではなくなり、GPMがより複雑になるからである。共通の特徴と、非発生のGPMモデル(単細胞におけるRNA,タンパク質と遺伝子ネットワーク)を持つ重要な違いも発見した。

 

雑記

春眠の季節