これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ナイーブT細胞恒常性の決定論モデル・確率モデル

Grant Lythe;...;Carmen Molina‐París(2018.8, Immunological Reviews)[Some deterministic and stochastic mathematical models of naïve T‐cell homeostasis]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

ヒトは数十年生きる一方で、マウスは数ヶ月しか生きない。これらの長いタイムスケールの中で、瞬時の事象として死亡と分裂を近似してよいくらい稀にナイーブT細胞は死亡もしくは分裂する。体のT細胞集団はクローン形質に自然に分けられる。このクローン形質は同一の受容体を持つ一連の細胞である。ナイーブCD4+T細胞のように細胞の総数は、常微分方程式数理モデルの適切な始点であるのに十分なほど大きい一方で、クローン形質毎の細胞数は大きくない。ここでは、クローン多様性の維持に関する大量の基本的な数理モデルをまとめる。決定論モデルと同様に、胸腺産生の減少を含む、マウスとヒトの寿命の間の多くの競合するクローン形質におけるナイーブT細胞の全体数を明示的に追跡する確率モデルも議論する。大規模ハイスループットシークエンスによってクローンの多様性を実験的に評価するのには多くの困難があるが、単細胞シークエンスの利用は、体のT細胞の全体数以下の大きさのオーダーの数の細胞数に制限されている。したがって、少量サンプルからの推定に関係する数理的疑問はT細胞のレパートリーの多様性の理解を前進させるのに重要である。いくつかの数理モデルがこの分野でどのように進歩するかに関する結論をまとめる。

 

印象的な図

Fig1. 末梢におけるクローン形質の生存率

 

雑記

今年度を無事に振り返り、来年度の計画を立てた。まぁまぁ良い年だったな