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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

自己免疫/炎症性疾患におけるエピジェネティクスの役割

Anna Elisa Andrea Surace and Christian M. Hedrich(2019.7, Front Immunol.)[The Role of Epigenetics in Autoimmune/Inflammatory Disease]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

歴史的に、全身性の自己炎症状況は自己炎症性かつ自然免疫系によって生じるか、自己免疫かつ獲得免疫反応で駆動されるかのどちらかに分類された。しかしながら、現実はもっと複雑であることがわかってきた。つまり、自己免疫/炎症状況は、「炎症スペクトル」に沿って分布しており、主に自己炎症状況と自己免疫状況は、どちらか一方の極端な状態になっている。エピジェネティクな修正は、遺伝子発現に影響し、ゲノム配列を修正することなく細胞機能を変更する。CpG DNA二塩基のメチル化とそれらのヒドロキシメチル化や、ヒストンタンパク質のアミノ末端の翻訳語修飾と、ノンコーディングRNA発現が主なエピジェネティク事象である。自己免疫/炎症性疾患の病態生理学は、(稀)遺伝子変異や遺伝的感受性の組み合わせを起こす疾患や、(より起こりやすい)環境に対する曝露から生じるエピジェネティク修飾に深く関係する。近年、全身炎症や自然免疫や獲得免疫反応に関与する分子メカニズムの理解において進歩が見られた。エピジェネティクな事象は以下の2つとして同定されてきた。(i)遺伝的疾患素因に加えて中枢的な病態生理学的要因(ii)単一遺伝子疾患をもつ個人における臨床像と結果を決定する共因子。よって、自己免疫/炎症性疾患へのエピジェネティクな寄与を完全に理解することで、個人の疾患結果や効果的かつ標的に直接、かつ許容できる治療を予測する方法に繋がる。ここでは、3つの例を選んで炎症性スペクトラムに沿って自己免疫/炎症性疾患におけるエピジェネティクな修飾の重要性を表す最近の発見をまとめる。この例とは、自己炎症性の骨の状態である慢性無菌性骨髄炎(CNO)と、"混雑パターン"の疾患の乾癬、そして自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)である。

 

雑記

最近、集中力落ちてるかも