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遊走性環状紅斑の新概念:特定の臨床病理実体を反映しない臨床反応パターン

M. Ziemer;...;B. Zelger(2008.12, British Journal of Dermatology)[New concepts on erythema annulare centrifugum: a clinical reaction pattern that does not represent a specific clinicopathological entity]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

背景
遠心性環状紅斑(EAC)は病因不明の炎症性皮膚疾患と考えられている。多くの教科書では、模様や木目様の紅斑など一貫性のない集合として登録されている。
目的 
EACと診断された90の症例を振り返って調査した。ヘマトキシリン-エオジン染色切片を再調査し、診断を特定化した。次に、これらを臨床病理相関で確認した。Boreliaの感染を浮動焦点顕微鏡とBorelia特異的なPCRで評価した。
結果 
蕁麻疹や白血球破砕性血管炎や乾癬のような、EACとしばしば混同する色んな環状紅斑のグループがあるにも関わらず、EACは3つの主な臨床病理反応パターンが集まった状態として与えられるようであった。その3つとは、(i)(腫瘍性の)エリテマトーデス(29/90)(ii)海綿状皮膚炎(25/90)そして(iii)偽リンパ腫(16/90)である。この偽リンパ腫反応パターンの16の症例のうち13は、細菌が陽性に染色されるが、他のEACの反応パターンはネガティブコントロール同様に陰性にであった。これらの発見は、偽リンパ腫のEACの⅔でBorelia特異的なPCR陽性だが、他のEACの変異は20のコントロールと同様に陰性であったことからも確かめられた。

結論 
"EAC"は特異的な臨床病理的な実体を示している臨床反応パターンではない。主にエリテマトーデスや皮膚炎、そしてある場合には皮膚ライム病を考えるべきである。